ブレーキランプの動作が不安定だったのでリアブレーキスイッチの点検整備をしてみましたよ。
ここ数年リアブレーキ作動時にストップランプが点いたり点かなかったりすることがありました。
走行中にブレーキランプが点いているかどうかなんて確認できないので、メンテナンス時や運行前点検でわかった事ですが、これまではブレーキスイッチのアジャスターを調整してやり過ごしてました。
実際、リアブレーキスイッチを見てみるとわかりますが、適切な点灯位置にアジャストしても振動などでアジャスターの位置が変化して点灯位置が変わる可能性はわかろうものです。
という事で定期的にリアブレーキスイッチの点灯位置確認はしていましたが、ここ二、三年くらいでアジャストだけでは点灯しない場合があることに気が付いたというわけです。
こうなるとリアブレーキスイッチ自体の接触が疑わしいということになるので、先送りにしていたスイッチの点検と分解清掃を実施しようということになりました。
分解の手順は簡単。
まずは右サイドカバーを外しCDIのホルダーをフレームから外してリアブレーキスイッチコネクターを外します。
続いてリアブレーキスイッチのアジャスターを一番上まで回転させて移動。
スイッチ以下、スプリングとロッドの位置が下がってかかっていたテンションが抜けて余裕ができます。
テンションが抜けたブレーキスイッチロッドをブレーキペダルのフックから取り外します。
そのまま上方向へ抜けばリアブレーキスイッチ・スプリング・ロッド一式が取り外せます。
次はスイッチ本体の分解です。
配線のゴムカバーを上側にずらすと白い部分が見えますがこれがロックになっています。
反対側と合わせて二箇所のロックを細いマイナスドライバーなどで押し込みながら上方に引き抜くと内部の部品が出てきます。
ということで分解できたリアブレーキスイッチの部品です。
この順番で入っているので位置を忘れないよう記録を取っておきましょう。
予想通りスイッチの端子部分がかなり汚れていますね。
ここの汚れが接触不良の原因とみて間違いないでしょう。
分解したリアブレーキスイッチの各パーツと接点を磨いていきますが今回はスチールウールを中心に使ってみます。
攻撃性が弱く金属磨きに最適で100円ショップでも入手可能ですから一袋買っておくといいです。
ちなみに端子部分は白いパーツに刺さっているだけなので、配線がちぎれないように細心の注意を払って慎重に磨きましょう。
ここでリアブレーキスイッチの動作がどうなっているのか見てみましょうか。
- ブレーキペダルを踏む
- 連動してロッド・スプリング・スイッチシャフトが下方向へ動く
- 金色の部分が下へ移動すると白い部分で絶縁されていた左右端子に接触する
- 左右端子のプラス配線が導通してストップランプが点灯する
という流れになるわけですね。
構造がわかれば点灯する位置のアジャストや動作不良が起きた時のリカバリー方法も理解できるというものです。
ちなみにリアブレーキスイッチは引いた時に導通して点灯ですが、フロントブレーキスイッチは通常レバーに押されたスイッチが解放された時に端子が接触・導通して点灯になります。
分解してみると仕組みがわかりますよ。
ということで動作の仕組みもわかったし、その他の部品も磨いて綺麗になったので元どおりに組み立てていきましょうか。
今回の清掃で使ったのはスチールウール、歯ブラシ、ワイヤーブラシだけです。
構造がわかれば簡単なものですね。
ということで取り付けです。
まずリアブレーキスイッチのアジャスターを一番上の位置にします。
フレームのスイッチマウントにロッド・スプリングを取り付けたスイッチ一式を上から通します。
ロッドとスプリングの通る位置と向きはこのように。
ブレーキペダルのフックにスイッチロッドを引っ掛けて、アジャスターの位置を下げてテンションをかけます。
メインスイッチをオンにしてブレーキペダルを踏んで、リアブレーキの点灯する位置を探りつつアジャスターの位置を調整して作業は終了。
ちなみに今回調整したアジャスターの位置は画像のようになりました。
清掃・調整後はストップランプの動作も安定し、ペダルを踏めば当たり前のようにブレーキランプが点灯するようになりました。
結果は概ね予想通りでこんなに簡単なら早くやっておけばよかったですね。
ストップランプの点灯が不安定な場合、ブレーキ操作の回数や経年による汚れなどを考えたらまずは接触不良を疑ってみるのが良いかもしれません。
球切れならそもそも点灯しないし、回路を見てもシンプルそのものですからわざわざ面倒な方向へ進む必要はないですね。
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