クラッチの引きずりが気になった

前回までの「トランスミッションの不具合シリーズ」は無事に代替部品への交換ができたもののギヤの入りが渋いというなんともスッキリしない結末を迎えた訳ですが、その後数日を経た現在でも根本的な解決には至っていません。

交換後100kmほどの試走を経て徐々に改善しつつあるようですが、たまに前後どちらのギアにも入らなくなったり油温が上がってくるとギアが入りにくくなったりと、どうにも規則性の有るような無いような?はっきりしない状態。
一時はもう一度クランクケースを割ってギアの組み付け、特にシフトドラムとシフトフォーク周りを総点検しようかと考えていましたが、いざ作業を始めようとしたところ以前よりギアの入りがスムーズになっているというこれまたなんとも悩ましい状況に。

そんなこんなであれこれいじり回していたらどうもクラッチが引きずっているような?クラッチレバーを握っても切れきっていないような症状に気づきました。
ギヤの入りが渋い状態というのはクラッチの切れの悪さというもの関わりがありそうですし、何よりクラッチを引きずったままの状態で運用を続けるのもスッキリしないので、今回はクラッチ周りを重点的に点検して見ることにしましたよ。

前回急ぎ足で組み立ててしまったこともあり、若干気になっていた部分の確認もしてみたかったというのもありますしね。

という訳でじゃんじゃんバラしてまずはクラッチ板の厚みの測定。
使用限界2.6mmのところ約3mmで一応問題なし。
予備の新品があるので交換しちゃってもいいんですけどね。

フリクションプレートは外観上目立った歪みなどは無いようでした。
(ちゃんと平面性の点検したほうがいいですね)

続いてクラッチスプリング。
使用限界34.20mmのところ4本とも約34.8mm程度でこちらも問題なし。
次は予備を買っておきましょう。

で、今回クラッチの切れの悪さで気になってたクラッチリフターロッド。
これが摩耗して短くなってたりするとクラッチ動作時のストロークに影響があると思われます。
でこちらは使用限界等の既定値が無かったので、手持ちの新品部品のサイズと比較。
どちらも約50mmで問題なし。
摩耗状態も特にひどい状態ではなかったです。

想定してた問題箇所はとりあえず全てクリア。
続いては使用状況によっては問題が起こるらしいクラッチアウターとクラッチセンターのディスクによる段差摩耗の状態について。

正直いままであまり気にしてませんでしたがクラッチアウターのクラッチ板の突起部分がスライドする部分の段差摩耗はこんな感じ。
ぱっと見それほどでもないような感じですが触診して見るとそれなりの段差が発生してるようです。
常に同じ場所にそれなりの高トルクがかかる場所ですから徐々に削られて経年で段差が発生するのですね。

続いてクラッチセンター。
こちらもフリクションプレートの突起部分が噛み合う場所を中心に段差が発生。
ただこちらはクラッチアウターほどのものではないようでした。

ということで知ってしまったからにはそのまま戻すわけにはいきません。
今回は特に段差が目立つクラッチアウターの段差をヤスリがけして影響が少なくなるようにちょっと加工してみました。
全部で32箇所を金属ヤスリで荒削りで段差をなくしてから紙やすりで番手をあげて研磨。
完璧ではないですが段差のままよりはマシでしょう。
それ以前にこの部分、もともとエッジのバリが目立つ仕上がりの悪さが見受けられたのでついでに面取りもやっておきました。

本来ならクラッチセンターの段差も均しておいたほうがいいのでしょうが、この作業だけで2時間近くかかって疲れたので勘弁してくださいw

で、これといって今回の不具合の原因を特定できる部分を見つけられなかった訳ですが、仕方ないので元どおりに組み直して動作確認をしてみます。

と、その前に、どうにも図解だけでは理解できなかったクラッチの動作。
どのように動くとクラッチが繋がったり切れたりするのか現物の動きで確かめて見ることにしました。
スプリングがついてると重すぎてリフタープレートを動かすことができないのでスプリング無しで押し引きしてみたら一目瞭然!
ようやく理解することができました(笑)

頭の中だけでは理解できないことは現物確認するのが手っ取り早いですね。
また一つ賢くなりましたw


さて元どおりに組み上げて結果クラッチの引きずりは解消されたのかというと、結論から言うと大きな変化はありませんでした。
特にエンジンがかかっていない状態で1速でのクラッチを切っての押し歩きが非常に重い感じは以前と変わらず、というか前はどうだったっけ?というほどに長いこと動かせてないので曖昧な感じではありますが、それくらい劇的な変化はなかったというところ。

結局クラッチワイヤーのアジャスターで切れる方向へ調整して若干改善したという感じ。
根本的な解決には至りませんでしたが、気になっていたクラッチ周辺の各部の点検確認ができただけでも良しとしておきましょうか。
ついでに言うとギアの入りも以前よりはシフトアップ・シフトダウン側ともに滑らかになりつつあるということで、しばらく様子見ということにしました。


で、最後になりますが今回は手をつけていないものの気になった部分の事など。

クラッチレバーに付いているクラッチリフターカムです。
左クラッチレバーを操作するとワイヤーを介してクランクケースカバーに取り付けられているクラッチレバーが引かれ、その先についているカムがクラッチリフターロッドを押してクラッチが切れる、という仕組みになっていますが、前述の通りクラッチリフターロッドの摩耗によるサイズの変化がなかったため、であればこのクラッチリフターカムの受け側部分の摩耗によるストロークの変化があるのでは?と思った訳です。

上の写真を見ると受け側の凹みが段付き摩耗しているようにも見えますね。
これが摩耗した状態なのか?あるいは新品時からこの形状なのか?
ここの部分は予備パーツを入手していないため比較・判断ができません。
もし摩耗によって受け部が深くなっているとすれば、クラッチのストロークが浅くなり切れが悪くなることに影響を与える可能性も考えられます。

今回の作業はここまでで一旦終了としますが、今後クラッチリフターロッドの代替部品を入手して比較してみたいと思います。

コメント

  1. 家にも、中華製cg125が…
    ニュートラルに入らないんですよね~
    エンジン止めたら
    入ります

    • 松さま、始めましてコメントありがとうございます。

      エンジンを止めないとニュートラルに入らないとはこれは厄介ですね。
      原因がわかったらぜひ教えてください!

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