少し間が空いてしまいましたが、他車右ハンドルスイッチを流用したCGL125のハザード追加改造ですよ。
前回の記事では入手したVFR800のものと思われる右スイッチの配線解析とCGL125に取り付けるための配線改造について検証してみました。
当初予定してた配線組み替えのみのポン付けとは行かず、それなりに大掛かりな改造が必要となったので、今回はその検証結果に基づいて実際に右スイッチの配線組み替えと必要な周辺パーツの作成をしてみます。
改造作業に先立ちまずはベースになる右スイッチをパーツ単位に分解、配線単位での動作確認などしつつ清掃・スイッチへのグリスアップなどをしておきます。
VFR800右スイッチのブレーキスイッチへの接続端子はCGL125純正とサイズが同等でそのまま取り付けできそうでしたが、形状がストレートタイプだったため純正同様の、手持ちのL字型端子付き配線に差し替える事にしました。
右スイッチの改造に入る前にもう一つ、交流用点火のCGL125に直流点火の右スイッチを流用する上で問題になったキルスイッチの動作についての問題を振り返っておきます。
単純なスイッチの動作としては、
- 交流点火の場合は導通でエンジンオフ
- 直流点火の場合は切断でエンジンオフ
となります。
なので交流点火のハーネスを流用した形で直流点火のキルスイッチを使用するとスイッチのON・OFF位置が逆転してしまうわけです。
逆転状態で使用するかキルスイッチのみ交流用の物を部分的に流用するなど方法はあると思いますが、私のCGL125は以前に社外品CG125用直流CDIを搭載しているので、今回はこれを利用した形で回路切断でエンジンオフとなるような直流点火用のキルスイッチ配線に変更することとしました。
(なので純正の交流型CDIでの使用はできなくなります)
直流点火用配線に改造するにあたっては、まずはCDIの電源供給がどのようになっているか理解しなければなりません。
上の図に示した通り純正交流式CDIのピンアサインを見た時に、二つある接続コネクターのうち3Pソケット側が電源関係の配線になっている事がわかります。
上の写真は社外品CG125用直流CDIで、電源が直流になるため3Pコネクターの交流電源供給用端子が不使用(撤去されている)となり赤いケーブルの直流電源配線がCDI本体から出ている形となります。
残った端子は交流用CDIにもあったキルスイッチ(及びイグニッションキーのOFF位置)用配線のもので、接地されてエンジンOFFになるエンジンストップ用(点火カット)端子です。
交流・直流ともに4Pコネクター側はイグニッションコイルやピックアップコイル、アースなどに接続されるため変更は無しとなります。
右スイッチのキルスイッチを直流化するということは点火装置(CDI)への電源供給を断ってしまえばエンジンオフできるということになるので、純正キルスイッチに接続されていた交流用エンジンストップ配線は不要となり、
- CDIの3Pコネクタ側は使用しない
- メインハーネスのエンジンストップ用配線は不要
- メインスイッチOFF位置でのエンジンストップ用配線(交流用)の接続を外す
となります。
なので今回の直流化にあたってはCDIの3Pコネクタを外し、ACCからキルスイッチを経て直流CDIの電源へと接続する配線を新設することとなりますが、
- 不要となったメインハーネスのエンジンストップ用配線を直流CDI電源供給に転用し
- CDIが接続されるハーネス側3Pコネクターのエンジンストップ用配線から直流CDIの電源配線への変換コネクターを作成する
とすることで、距離が長くなりトラブルの元となりそうな新設配線の設置をせず、最小限の改造でキルスイッチの直流化が可能となりそうです。
直流CDIへの電源供給は上の写真のような変換コネクターを作成しCDIの電源用3Pコネクターと差し替えることにします。
ギボシ側は直流CDIの電源配線へ、3Pコネクター側は交流用キルスイッチ配線を転用した右スイッチのキルスイッチ配線に接続された電源供給ラインへ接続します。
これで点火装置の電源供給とキルスイッチの動作問題が解決できました。
続いてハザードスイッチですが、これはハザードスイッチからウインカーへ接続される配線の出力が一本しかないため左右ウインカー用に分岐し整流ダイオードを組み込んだ追加配線を作成。
既存のライトハウス内で接続されるウインカー配線に割り込ませる形としました。
前回作った配線図ではキルスイッチの直流化に伴って不要となった3Pコネクターのアース配線(緑)が撤去されていましたが、せっかく空いた配線なのでこれまで追加配線で接続していた後付け電装アクセサリーのアース側配線として活用することとしました。
現状アースが必要な後付け電装アクセサリーは
- ナビ用USB電源
- 外気温・油温計
の二つなので、ダブルギボシの端子をつけた緑色の配線を3Pコネクターに追加することとしました。
概ね配線の全体像が決まったところで改めて配線図を書き起こしてみました。
CGL125純正の配線と比べて一見して増えた配線が電源供給の面で不安な感覚になりますが、実質的に増えた部分はハザードのみであり過去にNSR250Rの左スイッチ流用で搭載したハザード機能を使用していた時点で不具合は無かったし、現在は灯火類のLED化がなされていることもあって電源供給の面では大きな問題にはならないでしょう。
一つだけ不安な面としては、純正に比べて配線とその接続部が増えたことで接触不良等によるトラブルが発生する恐れはあるというところでしょうか。
ここについては定期的な点検で対処するしかないのでこまめに見ていこうと思います。
配線図を元に全体的な長さを純正右スイッチと同様に約60cmに揃え各配線を接続、ハーネスチューブを通してコネクターやギボシ端子を取り付けて完成。
最終的に今回流用する右スイッチの接続部は上の写真のようになりました。
組み上げた状態でテスターを使用して各スイッチの導通試験を実施、問題なく動作することを確認できました。
今回の改造右スイッチ流用による純正右スイッチとの主な変更点は、
- キーONで灯火類(ヘッドライト・ポジションランプ・尾灯・メーター照明)が点灯
- ライトスイッチがなくなることでヘッドライトの消灯が不可となり常時点灯化される
- エンジン始動時セルスターターONでヘッドライトが消灯(その他灯火類は点灯したまま)
- キルスイッチを動作させると直流CDIへの電源供給が遮断されエンジンが停止
となります。
その他ウインカーやハザード使用時の動作はNSR250Rの左スイッチ流用時と同様で、
- ウインカー使用時にウインカー動作側のウインカーポジションは消灯し動作してない側のウインカーポジションは点灯
- ハザード使用時はウインカーポジションが消灯
となります。
配線加工が済んだので取り付けへと進みますが、流用改造した右スイッチの取り付けで増えた分の端子と配線をうまいことライトハウス内に収めなければなりません。
既存の後付け電装アクセサリーのアース配線が不要になった分相殺できるのでは?と期待していますがどうなるでしょう。
ここまで触れてきませんでしたが、スロットル関連のフィッティングで新たな問題が出てきたので次回CGL125への改造右スイッチの取り付け過程で検証してみたいと思います。
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