右スイッチ流用でハザード機能を追加してみる 〜準備編〜

ハンドルスイッチ

タイトルの通り再びCGL125にハザード機能を追加する加工をしてみますよ。

我がCGL125には過去にNSR250Rの左スイッチを加工・流用する事でハザードとウインカーポジションの機能を搭載しました。
しかしヘッドライトのハイ・ロー切り替えのスイッチが使い辛く、純正形状に近いCB400SFの左スイッチを加工・流用して取り付けたのは以前の記事で公開した通りです。
それによってウインカーポジションの機能は維持できたもののハザードの機能は失われてしまいました。
無くても困るものではないしまあいいかとも思いますが一度搭載してしまうとやはりなんとかしてみたいと思うもの。

ウインカーポジションの機能を搭載してしまったがために、以前のように三線式スイッチの増設でハザードを付ければよいという訳にも行かなくなってしまったため、いろいろ考えてみた結果ホンダ純正の他車用右スイッチを流用する事にしてみました。

という訳で入手したハザードスイッチ付きホンダ純正右スイッチです。
VFR800のものらしいですが本当かどうかわかりません。
ウインカーポジションとの絡みもあって、ホンダ純正の右スイッチを流用すればコネクターの配線加工だけでいけるのでは?と安易な考えで入手してみましたがどうでしょうね。
どのような接続にすればいいか?まずはスイッチの配線を解析してみましょう。

当然配線図が無いのでスイッチの動作に合わせて信号の流れがどうなっているか?テスターで配線の解析をしてました。
スイッチの動作だけを見てみると、

  • キルスイッチはRUN時は導通
  • スタータースイッチは4本の配線が結線され、キーONでヘッドライトが点灯(常時点灯)し、セルON時はヘッドライトがOFFになる
  • ハザードスイッチにも4本の配線が結線され、ポジションランプとハザードランプがスイッチの操作で切り替わる(ハザード動作時にはウインカーポジションが消灯)
  • ブレーキスイッチはレバー動作時に導通されてブレーキランプが点灯

となるようです。
ヘッドライトが常時点灯となり消灯することはできなくなりますが、スターター時にはオフになるしなんとなく最近のバイクっぽくなるのでまあいいでしょう。

さてこれをCGL125の右スイッチに置き換えるために配線を組み替えていかなければなりませんが幾つかの問題点を発見。

  1. キルスイッチの動作がCGL125とは逆になる
  2. ハザードとウインカーポジションの入力側が結線されている
  3. ACCのラインが複数に分かれている
  4. 尾灯・メーター照明への電源供給がない

(1)のキルスイッチですが、これは点火方式の違いによるもので、CGL125は交流式点火のためCDIへの電源供給がオルタネータから直結(黒/赤ライン)されており通常の二線式メインスイッチでは電源断だけではエンジンの点火をカットする事ができません。
なので交流式点火の場合の点火カットはCDIのエンジンストップライン(黒/白ライン)をアースに落とす事でエンジンを停止するという仕組みになっています。
ちなみにCGL125のメインスイッチからは4本の配線が出ていて、イグニッションキーのOFF位置で導通される形でキルスイッチと並列に繋がっています。
なので交流式では、

  • イグニッションキーONでバッテリーからのメイン電源からACCへの供給
  • イグニッションキーOFFでCDIの電源オフラインとアースを結線

という形になります。
(イグニッションスイッチのOFF位置に結線されている配線を外した状態でエンジンをかけた時に、キーをOFF位置にしてもエンジンが止まらない事を実際に試してみました)

直流式の場合はイグニッションキーと、並列して接続されている形のキルスイッチの動作が、ON・OFFの切り替えで点火装置への電源供給を制御しているから、

  • RUNポジションで導通
  • OFFポジションで切断

となりますが、
交流式点火のCGL125のキルスイッチでは

  • RUNポジションで切断
  • OFFポジションで導通

という動作になります。

なので直流式点火のバイク用キルスイッチを活かした形でそのまま流用した場合、キルスイッチの動作位置が逆になってしまうという事になります。

続いて(2)のハザードスイッチの入力側が結線されている部分について。
普通のハザードスイッチの動作としては、

  • 通常時はACCから来た電源は左スイッチのポジションランプのラインへ導通
  • ハザード時はポジションへのラインを切断した上でウインカーリレーからの信号をウインカーへ

となります。
なので本来入力側はそれぞれACC・ウインカーリレーから別々に来なければなりませんがこのスイッチではなぜかACCからのラインとして結線されていました。

(3)のACCの入力ラインが複数に分かれているについて、
CGL125の右スイッチではACC入力の端子は一つですが、流用するスイッチの電源ACCラインは各機能ごとにヒューズ経由で分かれて来ているから、という事のようです。

(4)の尾灯・メーター照明への電源供給について、
これは流用元バイクの尾灯・メーター照明への電源供給がキーオンで導通する個別のラインになっているからという事でしょう。
一瞬ハザードスイッチから出ているポジションランプの配線を使えばいいのかな?と思いましたが、これだとハザード動作時に尾灯とメーター照明が消えてしまうという事に気がつきました。


ここまでの配線の解析と問題点の洗い出しまで結構時間が掛かりましたよ。
最初は純正流用なんだから既存配線との接続部を差し替えるだけで簡単に流用できると思ってましたがそうは問屋が下ろしませんでした。
結果としてスイッチの分解と配線の組み替えは必須となったため、差し替えポン付けは諦めて加工する前提での流用をしてみようと思います。

四つあった問題点の(1)については、

  1. スイッチをそのままCGL125のキルスイッチと置き換えてスイッチ位置が逆転したまま使う
  2. リレー制御する事にしてトリガーとしてのスイッチ機能にする
  3. 端子位置が逆転している交流用スイッチをどこからか調達して置き換える

というのを考えてみましたがどっちにしろ配線組み替えするんだからという事と、私のCGL125は過去に社外直流式CDIに置き換えていることもあって、他の直流式点火のバイクと同じようにCDIへの電源供給をキルスイッチで制御する形へと変更する事にしました。
なので普通ならキルスイッチの出力側配線を別途引き直すという事を考えるわけですが、既存の交流式CDI用のエンジンストップラインを使用する必要がなくなるため、その配線を直流式CDIの電源ラインとして流用しCDI電源への新規配線は追加しない形にしてみます。

(2)のポジション・ハザードスイッチの配線については、単純に結線を解いてACC・ウインカーリレーの二系統に分離する事で対応。

(3)の複数来ているACCラインは、キルスイッチ、スタータースイッチ、ヘッドライト、ポジションランプ、ブレーキスイッチの五つのラインをハーネスチューブ内で一本にまとめるとします。

(4)の尾灯・メーター照明への電源供給はACCから分岐出力することで対応。
上の(3)で一本にまとめたACCラインから分岐する形で配線を追加してダブルギボシ端子で尾灯とメーター照明への電源供給を賄うことにします。

という訳でCGL125へ加工・流用するための配線図を書き起こしてみたのが↓の画像。

CGL純正との違いとして

  • ハザード、ウインカーリレー、ウインカーポジションへのラインが追加
  • ポジション、尾灯、メーター照明用として三分割出力されていた端子はウインカーポジションが分離された事でダブルギボシに変更
  • キルスイッチのアースラインが不要になったため取り外し、既存キルスイッチ配線はDC-CDIへの電源供給として使う

となりました。
ウインカーポジション・ハザード関連の配線はすでに取り付け済みのCB400SFのスイッチで対応済みとなっており、前回の記事でCB400SF左スイッチの配線組み替え時に増設したウインカーリレー配線がこれに接続されるという事になります。


今回の準備編はここまで。

配線の組み替えをするならなんでもありな状態になるためポン付け簡単流用を期待した人には申し訳ないけど、これは自分用備忘録として書いたようなものなのであまり参考にならないかもしれませんね。
いろいろ書きましたが、以前取り付けたNSR250R用左スイッチですべての機能が搭載されていたため正直言ってここまで苦労して加工・流用して取り付けるべきなのか?考えものという気がしないでもないですが、乗り掛かった船ということもありこのまま進めてみようと思います。

次回は流用する右スイッチの配線加工をしてみようと思います。


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