どうにも動きの渋いスイングアームピボットのベアリング化について調べていたら、フロントフォークにスラストベアリングを追加することで動きが良くなるという情報を見つけましたよ。
詳しくはWebへ・・・
ザックリ言うと、ベアリングを追加してフォーク内のスプリングの動きに対する抵抗を減らしてやることで、より路面に対しての追従性が上がるのと細かいショックが減るということのようです。
言葉で説明するのは難しいが、イメージはできました。
という事で、早速わがCGL125にスラストベアリングが搭載できるかを調べてみます。
フロントフォーク内のスプリングとキャップの間にスラストベアリングを仕込む訳ですが、調べてみると手に入りそうなベアリングの外径は24mmが最小となるので、インナーチューブの内径が24mm以上でないとダメみたいですね。
早速フォークキャップを外してみます。
サービスマニュアルには載っていないカラーが入ってる。
カラーのサイズは長さ36mm、径23mm、厚み1mm
インナーチューブの内径を測ってみます。
計測には手持ちの17mmソケットを利用しました。
ソケットの外径が24mmだったので、これが入れば第一関門は突破ですね。
おぉ!すんなり入りましたよ!
ちょうどぴったり、ジャストサイズでした!
CGL125の外径31mmのインナーチューブは内径24mmという事がわかったので、次はベアリングを入手します。
外径24mmのスラストベアリングには玉軸受けのタイプと針状ころ軸受けの物があります。
CGL125のフロントフォークにはカラーが入っていたので、ベアリングの厚み分を差し引いたサイズのカラーを自作することで標準サイズの仕様でベアリングを追加することができます。
いろいろある中から注文したベアリングはこちら。
NTN スラスト針状ころ軸受 AXK1100 x 2個
AS形軌道輪(ワッシャ)AS1100 x 4個
こちらはニードルベアリングというヤツですね。
サイズは以下の通り
外径はそれぞれ24mm23.8mm
内径は10mm
ベアリングの厚みは2mm
ワッシャーの厚みは1mm
三つを合わせた厚みは4mm
続いては
大阪魂 単式スラスト玉軸受け51100番台 x 2個
こちらはリテーナーとレースがセットになっています。
※2015/11/07 追記
このベアリングセットはフォークトップボルトを規定値で締め付けるとレースがフォーク内で引っかかるので、ベアリングレースを削らないとCGL125では使えないことがわかりました。
こちらはスラスト式のボールベアリングですね。
サイズは以下の通り。
レースの外径は24mm
レースの厚みは2mm
リテーナーの外径は23mm
リテーナーの厚みは5mm
三つを合わせた厚みは9mm
あとは水道用の22mm径塩ビパイプをカットした自作カラーを加えて準備完了です。
ニードルベアリング用カラーは32mmの長さにカットした22mm径の塩ビパイプです。
こちらはボールベアリング用のセットです。
カラーは27mmの長さにカットした22mm径の塩ビパイプです。
部品が揃ったところで早速取付けに入りますが、CGL125のトップブリッジにはカバーがついているため、まずはそれを外す必要があります
カバーの左右にあるプラスネジ二箇所を外し、カバーを取り除きますが・・・
カバーを固定するためのステーが邪魔で、このステーを外さないとフォークキャップにたどり着けません。
しかもハンドルポスト前側のボルトと共締めのため始末が悪いです。
(外すたびにハンドルの位置調整をしなければならず面倒)
ステーを外してフォークキャップを緩めます。
ここは17mmのメガネレンチやソケットで対応可能です。
まずはフロントフォークを取り外す前に、購入したベアリングが入るかを確認します。
まずはニードルベアリングから。
ワッシャーとベアリングを入れてみました。
何の抵抗も無くすんなり入ります。
続いてボールベアリングのレースです。
こちらも同じくすんなり入りました。
※2015/11/07 追記
トップブリッジ固定ボルトを規定値で締め付けるとフォーク内で引っかかります。
まさにポン付け!
インナーチューブ外径31mmのホンダ車ユーザーさん!
スラストベアリングは汎用品でポン付けできそうですよ!!
注)内径24mmが前提ですよ~、ベアリング化を実施する時は必ず内径を確認してくださいね!
CG125、CBF125、CB125SuperStormとかXR125Lあたりはいけそうな予感。
(GN125やYBR125はインナーチューブ内径23mmくらいで、要加工だそうです)
ベアリングが問題なく入ることが判ったので作業に入ります。
ベアリングを挿入するだけであればこのままキャップをはめて終了ですが、今回はフロントフォークのフォークオイルも同時に交換しました。
(その様子はいずれまた)
さて二種類のベアリングが使用可能であることがわかりましたが、どちらを使うか。
取り外した状態で左右のフロントフォークにそれぞれのベアリングとカラーを装着して動きを見てみます。
ニードルタイプ
ボールタイプ
キャップをしてインナーチューブの動きを見てみたところ、ニードルタイプのベアリングのほうが動きが滑らかに思えたので、今回はNTNのニードルベアリングを使用することにしました。
元通りに組み上げてまずは停車状態でフォークの動きを見てみますが、第一印象としては特別動きが滑らかになったとの印象はありませんでした。
どうもフォークが沈み込んだときよりも、インナーチューブが沈みこむ最初の動きの抵抗感が激減した、という感じです。
軽く周辺を試走してみたところ、細かな凹凸がある路面ではそのスプリング初動の動きで吸収してギャップでの突き上げを感じず、細かな振動も減った印象です。
これは長距離走行での疲労軽減に大いに効果がありそうです。
大きなギャップや段差の乗り越えでも路面からの突き上げが減り、全体的に言うと”マイルドになった”という印象です。
あと、細かなギャップをベアリング化によるバネのショック吸収力向上で路面の追従性が上がったため、フロントの接地感が良くなり安定してコーナリングできるようになった気がします。
地味な印象ですが全体的には安定感が増し、より操作性が向上した感じです。
しかしフロントが良くなった分、やはりリアの動きの渋さが際立つことになりました。
スイングアームピボットのベアリング化から、リアサスのセッティングあるいは交換までやって、ようやく全体的なバランスが取れるのではないか?と思います。
あまった大阪魂のスラストボールベアリングは折を見て交換してみたいと思います。
交換してみたらまたブログで公開しますよ。
※2015/5/17 追記
翌日、その効果を確認するのも兼ねてラーツーしてきました。
スラストベアリング装着後の感想はこちら。
※2015/5/25 追記
CBF125オーナーのオレンジライダーさんがスラストベアリングの装着に成功したそうです。
(オレンジライダーさんのブログ「初心者ライダーのCBF125」)
NTNのスラストニードルベアリングを無加工で装着できたようですが、CGL125とは違いカラーが無く、フォークキャップボルトが直にバネを押さえている構造のようです。
CBF125も汎用品でポン付けできることがわかりました。
CBFユーザーの方はオレンジライダーさんのブログを参照してみてください。
※2015/5/30 追記
ベアリングを大阪魂のスラストボールベアリングに入れ替えました。
実走行での印象が良かったので、しばらくこちらを使います。
※2015/5/31 追記
大きめのギャップ通過やハードめのブレーキングをした時に、フロントフォークが底突き気味なことがあったため自作カラーを標準と同じ36mmにカットした塩ビパイプに交換しました。
追加したベアリングの厚み、9mm分プリロードをかけた状態になります。
ギャップ通過時の跳ねもあまり感じられず、ハードめのブレーキングでも底突きする事無く踏ん張るようになりました。
しばらくこの組み合わせで様子を見てみますが、方向性としてはこれで決まりな感じです。
※2015/6/17 追記
YBR125ユーザーさんに朗報!
「YBR125 MEMO」さんによるとNTN スラスト針状ころ軸受 AXK1100が無加工で装着できたそうです。
※2015/11/7 追記
大阪魂のスラストベアリングは、トップブリッジ固定ボルトを規定値で締め付けると(CGL125では)フォーク内でベアリングレースが引っかかります。
内径24mmのフロントフォークにベアリングを入れる場合は「NTN スラスト針状ころ軸受 AXK1100」のセットが外径23.8mmで引っかかり無くつかえます。
詳しくは「フロントフォークのスラストベアリングをNTNに交換した」をご覧ください。
コメント