GWメンテナンス2025という事で、今年の大型連休は二年に一回実施しているフロントフォークのオイル交換をやっていきますよ。
その他足回りの点検整備は3月に済ませてあるので今回はフォークオイル交換のみです。
では早速作業を始めましょう。
フロントフォークの取り外し
フォークオイル交換をするにあたってまずはフロントフォークを取り外します。

手順1:画像の番号順で以下のように部品を取り外し・緩めておきます。
- トップブリッジカバーのネジ2本を取り外す
- トップブリッジのフランジボルト2本を緩める
- フォークトップキャップを緩める
これはフロントフォークを外した後のフォークトップキャップの取り外しを容易にするための前準備です。

手順2:ホーンカバーを取り外し、配線を取り外してからホーン固定ナットを緩めてホーンを外します。
(これは私のCGL125の場合で、通常はここに付いているエンブレムを取り外します)
これでステム下側のフロントフォーク固定ボルトを露出させられます。

手順3:タイヤ・ホイールを外したのちにフェンダーを固定している4本のボルトを外してフロントフェンダーを取り外します。

手順5:ステムのフロントフォーク固定ボルトを緩めてフロントフォークを引き抜きます。
手順1でトップブリッジの固定ボルトを緩めてあるのでこのボルトを緩めればフロントフォークをした方向へ引き抜けます。
ただしボルトを一気に緩めてしまうとフロントフォーク自体の重さで落下してしまうので、フォークを支えて様子を見つつ左右一本ずつ緩めていきましょう。
フォーク単体にできたら古いフォークオイルを排出するためにフォークトップキャップを取り外します。
手順1で事前にキャップを緩めておいたので17mmのスパナ等で簡単に取り外せますが、フォークスプリングのテンションがかかっているので内部の部品が飛び出さないよう注意しましょう。
オイルの排出と点検・清掃
フロントフォークが取り外せたので、古いオイルの排出と内部の部品の点検と清掃をします。

フォークトップキャップを取り外して古いオイルを排出しますが、できるだけ抜いてしまいたいのでインナーチューブを下側にして適当な容器に入れてしばらく放置しておきます。

フロントフォークの古いオイルを排出している間に各部の点検・清掃をします。
トップブリッジとステムのフロントフォークを固定する部分の汚れ・錆を取り除いておきます。
前回も錆落としはしましたが、概ね二年でこれくらいのサビが発生します。

フロントフォーク側に移った錆汚れもスチールウール等で取り除きます。
二年に一度の点検清掃のおかげでメッキの痛みや深いサビの発生を防げています。

フォークトップキャップとカラー、スラストベアリングの点検・清掃をします。
フォークトップキャップのOリングは弾力もあり綺麗な状態だったので、清掃後にシリコーングリスを塗布して再使用します。
使用し始めてから10年が経過したスラストベアリングも動作は良好、清掃後このまま継続使用します。
フォークスプリングの状態も点検・清掃しておきましょう。
スプリングの使用限界は457.2mmですが、今回の点検では左が481.5mm、右が482mmという事で問題なし。
逆さまにしておいたフォークの古いオイルもほぼ抜け切ったので次の作業に移ります。
新しいフォークオイルの投入
準備ができたので新しいフォークオイルを入れます。
使用するオイルは今回もカワサキ純正「FORK OIL G10」です。
CGL125では一回の使用量が左右合わせて330ミリリットル(165㎖x2)なので、1リットル缶一本で3回分使える計算になります。

投入するフォークオイルの量は左右とも規定値の165㎖か油面159mmで調整します。
新しいオイルを入れたらインナーチューブを数回上下させてからしばらく放置して油面が安定したらインナーチューブの上端から159mmの位置に油面が来ているか確認します。
オイルの油面が調整できたら、
- フォークスプリングの密な方を下側にしてインナーチューブに挿入
- スラストベアリングの上下をワッシャで挟んだ状態でフォークスプリングの上に挿入
- カラーを挿入
- フォークトップキャップを締め付ける
の順で組み立てます。
フロントフォークの取り付け
フォークオイルを交換して組み立てたフロントフォークを元通りに取り付けていきます。

前段で組み立てたフロントフォークにフォークブーツを取り付けますがここで一工夫。
インナーチューブが接する上端内側にシリコーングリスをうすーく塗って滑りを滑りを良くしておきます。
フォークブーツ上端を固定するクリップを取り付けたらステムとトップブリッジの穴にインナーチューブを通して固定します。

まずはフロントフォーク上端とトップブリッジ上端の位置を合わせて(画像のフォークトップキャップが露出する位置)固定ボルトを仮止めしておきます。
これはフロントフォークが落ちないようにすることと最終的な位置調整と規定トルクで本締めするための準備です。

ステムの締め付けボルトを仮止めして左右のフロントフォークを取り付けたら、次にフロントフェンダーを仮付けしてフロントアクスルシャフトを通し、それぞれのパーツと全体の位置関係を確認。
問題なければホイールとブレーキパネルを取り付けそれぞれのボルトを本締めします。
トップブリッジの固定ボルトは23N・m、ステムの固定ボルトは34N・m、アクスルシャフトは52N・mの締め付けトルクで締め付け。
最後にブレーキワイヤーとメーターケーブル、ブレーキワイヤーのアジャスターを調整して作業は終了。
フォークオイルの交換のみであれば比較的簡単な作業ですが、同時にブレーキの点検・清掃までやると時間もかかるしそこそこ大変な作業です。
という事で二年に一回のフォークオイル交換を実施したGWメンテナンス2025でした。
これでまたしばらくは安心してバイクを走らせることができますね。
コメント