今回はCGL125のクランクシャフトキャップの情報と互換品について書いてみますよ。
OHVの同型エンジンを搭載したCG125にも適用可能な情報だと思いますが、スパーカブなどホンダの多くのエンジンで共通して使われている部品なので適用範囲は広いかもしれませんね。
以前タペット調整とローラーカムフォロアーを取り付けるにあたって書いたことがありますが、新車購入以来4年間このキャップを外すことができず苦労したことがあります。
このクランクシャフトキャップがガチガチに締めこまれて外すことができず、破壊して取り外すというケースも少なくないことがあるようです。
私の場合運良く外すことができましたが、見ているとどうも締め過ぎのケースが多いみたいですね。
構造上Oリングの弾力を利用する程度の軽い締め具合でいいみたいです。
さてまずは純正のキャップを見てみましょう。
メッキの綺麗なキャップですが、外す際にガリガリと傷をつけてしまいました。
外すときはコインドライバーなどを使ったほうがよさそうですが、ない場合は硬貨などで外すことになると思います。
ただ溝が約3mm程度あるため必然的に500円硬貨を使うことになりますが、ガチガチに締め込んである状態では流用した硬貨が曲がってしまい実用的ではありません。
(500円硬貨を使ってみましたが、なんとも言えない鈍い感触が伝わってきたので途中で諦めましたw)
このクランクケースキャップについては以前「国産ホンダ純正パーツ互換表」のページで書きましたが、
品番:CAP, 30mm 90087-KRF-S00
で、対応したOリングが、
品番:O-RING, 27.4×2.4 91302-KRF-s00
となっています。
ネジ部の径は約30mm、高さは約7.8mmですが、Oリング取り付け部がネジ部より小さい径になっていることからOリングは内径27.4mmのサイズが適合となります。
今回は偶然入手することができたパーツがあるので、互換性があるか試してみようと思います。
入手したのは以下のもの。
一つ目は10mmの六角穴が空いた黒い色のホンダ純正キャップ(と思われるもの)
品番:90087-KWW-C00
らしく、黒と銀の二種類があるようです。
ネジ部の径は約30mm、高さは約13mmで、OリングはCGL125純正と同じく内径27.4mm内径29mmのものが適合。
※2019/4/7追記
この記事の後下の銀色キャップを装着した際、取り外した上記黒色キャップを改めて計測してみたところOリング装着部の外径が29.7mmで、適合するOリングの内径が29mmのものだったことがわかりましたので訂正しました。
二つ目はCB1300SFなどで使用されているらしい銀色の六角穴タイプのキャップ。
品番:90087-MR1-000
で、ネジ部の径は約30mm、高さは約13mmですが、Oリング取り付け部が前出の黒いタイプと違い29.7mmでした。
こちらには
品番:Oリング 2.4X29 16075-GHB-B70
品番:Oリング 29X2.4 91334-PC9-003
などが適合するようです。
三つ並べてみました。
それぞれネジ部の高さと適合するOリングに違いがありますね。
CGL125に装着するにあたってはネジ部の高さの違いで装着の可否が別れると思いますがどうでしょう。
実際に取り付けて試して見ます。
キャップ取り付け前に一番の懸念事項だったクランクケースカバーのネジ部の深さを測ってみました。
見ての通りクランクシャフトはかなり奥まった場所にあり、ネジ部の深さも約16mmありました。
これを見るとCGL125純正装着のキャップは浅い位置にねじ込んであるのがわかります。
これならクランクシャフトに干渉することなく、ネジ部の高さが13mmだった今回の互換品も装着できそうです。
さて六角穴の空いたキャップの脱着には六角レンチを使用するという流れになるのが通常だと思いますが、10mmの六角レンチなんて普通はあまり持ってないでしょうし、買うにしてもそう安いものではありません。
そこで登場するのが上の写真の高ナットです。
ホームセンターなどで安価かつ確実に入手できる便利な”工具”ですねw
こんな感じでラチェットレンチを使った脱着もできますが、ラチェットレンチを使うのは取り外しのときだけにしておいたほうがいいでしょう。
このような工具を使うとどうしても締め過ぎてしまう傾向になるので、取り付けの際は手締めで締めて仕上げのスパナで数ミリ程度の回転くらいがちょうどよさそうです。
ちなみに銀色六角穴キャップの装着した様子はこんな感じ。
ネジ部の高さは13mmと変わりませんが、キャップ部分の厚みがあるためちょっと高級そうに見えます。
今回はOリング無しで取り付けのみを試したので使用できるかどうかは保証しません。
試す場合は自己責任でどうぞ。
※2019/04/07追記:各サイズ等を計測した上でOリングを用意して取り付けてみました。
→「六角穴クランクシャフトキャップ(銀)を付けてみた」
六角穴付きクランクシャフトキャップ(黒)を付けたCGL125のエンジンはこんな感じ。
銀色のエンジンに黒いキャップだから違和感あるかな?と思ったけど、黒のロゴと相まっていい感じに収まっています。
この状態でエンジンをかけて実際に走行してみましたが、クランクシャフトへの干渉もなく問題なく使用することができました。
六角穴タイプに変更することで確実な脱着が可能になるし、(ちょっとお高いですが)入手しやすい国産純正品が流用できるのは安心感がありますね。
見た目も変化し、ちょっとした気分転換にもなりそうな他車流用のパーツ情報でした。
コメント
はじめまして。この4月にCGL125を購入しました、もの好きリターンライダーです(笑)。
納車後、タペット音に違和感がありましたので、早速クランクシャフトキャップを外そうとしましたがやはり相当きついらしく500円玉が曲がってしまいました。
無事外されたこちらのブログを拝見しましたが、よろしければ何を使って外されたか教えて頂けませんでしょうか?よろしくお願いします。
初めましてコメントありがとうございます。
CGL125をご購入とのことで、日本では超マイナーなバイクですが同じバイクに乗っている方からのコメントは大歓迎ですよ!
さてクランクシャフトキャップですね。
やはり外れませんでしたか。
私の場合ですが、クランクシャフトキャップは「コインドライバー」という工具で外すことができましたがタイミングホールキャップの方はどうしても外れませんでしたので、ホームセンターなどで売っている「フラットバー」という鉄の板(幅25mm、厚さ3mm程度の平鋼)を卓上グラインダーで加工したものを使いました。
外す際にはクランクケースのキャップ周辺をガスバーナーで温め熱膨張を利用し、一旦締め込む方向に回転させてから垂直方向に押しながら緩めたところどうにか外すことができました。
キャップの溝が3mmほどあるのでこの溝にぴったりフィットする先端が丸い形状の工具がないとかかりが悪くて外しにくいようですね。
私も500円玉を使ったときは同様な結果になりました(笑)
ちなみにタイミングホールキャップは外れてもクランクシャフトキャップが外れない場合、スパークプラグを外してセンタースタンドを立てて、ギアを5速に入れた状態でリアタイヤを回転させて圧縮上死点を出す、という方法を以前読者様から当ブログのコメント欄に投稿していただいたことがあります。
根本的な解決にはなっていませんが、タペット調整の際にはこんな方法もあります。
クランクシャフトキャップがどうしても外れない場合はお試しになってみてください。
あと、もし外すことができたらキャップを閉めるときはあまり締めすぎない方がいいですよ。
Oリングのゴムの弾力・抵抗感を感じるくらいで十分です。
オイルストレーナーキャップなんかも締めすぎて割ってしまう方も少なくないようなので「ほどほどに」がいいようです。
貴重なCGL125のオーナー同士、今後も情報交換できたら嬉しいです。
どうぞ宜しく願いします!