ホイールベアリングを交換してみた

またメンテナンスネタなのか?とお思いのあなた。
納車後7年が経過したバイクなので仕方ありません。
そうです今回はフロントホイールのベアリング交換ですよ。

昨年12月にベアリングのトラブルが発覚後、とりあえずの応急処置でお茶を濁してきた訳ですが、厳冬期ということもあって寒い中のベアリング交換作業は全くやる気になりませんでした(笑)
ここのところ暖かい気候になってきたこともありますが、走ってるとあからさまにフロントの抵抗感が感じられるのと、ここ二回の給油で燃費が悪化してきたことの原因がベアリングにあるだろうことは明白、ということで今回の作業に至ったという訳です。

実は年明け早々に交換用のベアリングは買ってあったりしたんですけどね。
できることならNTNの両面シールタイプ6301LLUが欲しかったんですがジョイ本の店頭には6301LLBしかなかったので、今回は同じ売り場にあった両面接触ゴムシールタイプ2RSのこいつを取り付けます。

CCTY BEARING 6301 2RS
聞いたことのないメーカーですがある意味消耗品だし不具合が出たら交換するのでまあいいでしょう。
(公式サイトの日本語版ページがちょっと面白いw)

値段は忘れましたが二個で500円もしなかったと思います。
CGL125のフロントホイールベアリングは6301が二個必要です。
ホンダ純正の品番は、
BEARING, RADIAL BALL, 6301UU:96150-63010-10

ベアリングの取り外しには通常ベアリングプーラーなどという高額な専用工具を使うようですが、当然そんなものを買うお金はありません。
なので定番のグリップアンカーで行きますよ。
買ったのは、
本体打込み式アンカー グリップアンカー スチール製 (GA-8M)

どこのホームセンターでも大抵は置いてあって、価格も概ね100円以下という家計に優しいお値段。
フロントアクスルシャフトの径が12mmなのでアンカーの外径11.8mmならちょうどいいだろうというところ。

こんな感じにアンカーをベアリングのインナーレースに楔を打ち込んで固定して、反対側にねじ込んだM8ボルトをハンマーを使って叩き出そうという算段。
以前リアホイールベアリングの交換でもこの方法で上手くいったから今回もいけると思うよ。

という訳でまずはフロントホイールの取り外し。
ブレーキシューの清掃は前回からそれほど時間が経ってないのでダストの掃除くらいでいいかな。
ただアクスルシャフトの表面のわずかなざらつきを感じるので、ここはスチールタワシで均しておくとしよう。

まずは右側ベアリングの外側に付いてるオイルシールを外さなきゃならないんだが、そのままではどうしても外れません。
無理にマイナスドライバーの先端などでこじってやるとオイルシール自体を痛めてしまうし、ホイール側にも傷をつけてしまうので一工夫が必要。
と言っても簡単なことで、要は温めてやればいいだけ。
ヒートガンでホイールのシール周辺を温めてやったらスポッと抜けましたよ。

で次はベアリングの取り外しなんだけどここで誤算が。
先人たちの作業を見ると外側からアンカーの楔を打ち込んでベアリングインナーに固定するんだけど、ベアリングインナーの内径が11.8mmでアンカーの外径も11.8mm。
数字的にははまりそうなものなんだけど全く入らない。

アンカーが入るように削るって手もあるけどそんな面倒なことはやってられません。
数秒考えた末に逆転の発想で文字通り逆側からアンカーを固定することにしてみました。

アンカーの楔を打ち込む側は四箇所の切り込みが入っているおかげでわずかに外径が小さいらしく、楔側を内側方向にしてアンカーを固定しつつ反対側から適当なボルトを使って楔を打ち込む。
そうすればこのまま楔を打ち込む方向で叩いてやればベアリングが外せるって訳だ。

ホイールのベアリング周辺をヒートガンで十分に温めてやったら、スコーン!とは行かないまでもそう時間もかからず叩き出せましたよ。

無事に外れたベアリング二個とカラー。
今回はありがたいことにヒートガンが借りられたからよかったけど、これがなかったらそうそう簡単には外せないと思う。
ガスバーナーでもいいと思うけど、他にもいろいろ使うシーンがあって便利だから近いうちに買ってみようと思ったよ。

ちなみにカラーのサイズは長さ42mmで外径19.1mm内径12.5mmだった。
ブレーキドラムのダストや古いグリースを除去して新しいベアリングの取り付けに移ります。

さてベアリングの圧入です。
大抵の場合、径の近いソケットをベアリングのアウターレースにあてがってハンマーで叩いて打ち込むというやり方が多いようだけど、これだとどうもベアリングを平行に叩き込むのは難しいんじゃないか?ということでこんなものを使ってみました。

以前リアホイールベアリングの交換でも使ったんだけど、ずいぶん前のことなので値段は忘れちゃいましたスミマセン。
・12mm径の全ねじボルト:1本
・M12ナット:2個
・M12ワッシャー:2枚
・スプリングワッシャ付き丸座金:2個
・TSソケット20
という構成。

こんな感じで反対側のナットを固定しつつ手前側のナットを締め込んでいくことで平行に近くベアリングを圧入できるってわけ。
これのいいところは、
・叩かないで圧入できるので音が出なくて近所迷惑にならない(結構大事)
・圧入完了ポイントまでの距離を測っておけばナットのねじ込み具合で調整できる
・ツライチなら丸座金で圧入だしパイプを使えばさらに奥まで圧入可能
って感じかな。
M12の全ねじボルトが入ってるおかげで、左右ベアリングに挟まれたカラーのセンターが出しやすいってのもメリットと思ったよ。

ちなみにリアのベアリング圧入時のカラーはフリーにしておかなければならなかったけど、CGLのフロントホイールベアリングは左右ベアリングと接触固定されてたので事前に測っておいた位置まで圧入しておきました。

外したオイルシールも圧入し、その他パーツも簡単に清掃して元どおりに組み立てます。
今回久しぶりに外したフロントフェンダーを見てみたけど、さすがに7年以上経つと金属製フェンダー裏側の錆が目立つようになってきた。
そう遠くないうちにこの辺りの処理もしなきゃいけないかな。

フロント周りの整備が思いの外早めに済んだので、どうせならということでリアブレーキのダスト清掃なども。
といいつつ周辺パーツの掃除もやっちゃうんですけどね。
ドリブンスプロケットはまだ大丈夫そうだけど、さすがにハブダンパーが少し痩せてきた感じ。
近いうちに交換かなぁ。

チェーンの張り調整ついでということで、前回交換したドライブスプロケットに付属してた1.8mm厚の中華フィキシングプレートを純正のものに交換。

入手できた日本製のホンダ純正フィキシングプレート
品番:95014-92100
はCGL純正で装着されてたものと同じ2.2mm厚。
回転してる時間が長い場所だしガタつきから来るであろうトラブルの回避ができれば、ということで交換できてよかったよ。

20200320_内圧バルブの分離水の量

お次は自作内圧コントロールバルブの油水分離ホースに溜まった水の排出と清掃。
約半年の期間でホース半分ほどの水が分離できたよ。
今季は暖冬で湿度も比較的高かったからか?例年より多めの水が出たね。

最後に全体を軽く拭き掃除して作業は完了。
予想外に疲れ果ててしまったので本格的な試走はしてなけど、家の前をちょっとだけ往復してみただけでもベアリング交換の効果の大きさを感じることができましたよ。
加速時の抵抗感というか重ったるさがなくなって気持ちの良い加速をするようになったよ。
これなら今後の燃費向上にも期待できると思うね。

正直そう簡単ではないホイールベアリングの交換だけど、それだけに交換後の効果の大きさを考えると面倒だからといって放置しておくわけにはいかない今回のトラブルとメンテナンスでしたね。

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